時事雑感 それぞれのパンデミック

  • 2020/6/11

 今年度前期はすべての授業でパンデミックを取り上げることにした。国際関係論ではパンデミックを巡る国際機関や国家間の動きをテキストの『国際紛争』にある理論や歴史を参照しながら検討している。海外から参加している留学生からはインターネットを通じた各国の政策や状況のライブ報告もあり、例年以上に国際関係を実感できる。フィールドワーク論では、パンデミックの日常をテーマに、参加者各自が「いま」を記録するための方法論を考えている。遠隔授業とはいえ双方向の授業なので、留学生が多いせいもあってか参加者が話してくれるそれぞれの日常は個性的で面白い。

 2年生以上の富田ゼミでも前期はパンデミックをテーマにしている。2年生と3年生のゼミではフィールドワーク論と連動させながら、パンデミックのなかでのそれぞれの生活を記録し次の世代に伝えることをテーマにした。日常生活を記録として表現することは意外に難題のようで、まずは日記をつけることから始めた。2年後期に始めた卒業研究のテーマ選定のなかで報道の扱い方を検討してきた3年生は、報道から得られる情報に頼りがちなようで、自分の経験をデータ化するのに苦心しているようだ。3年後期から卒業研究を始めている4年生には、それぞれがテーマとしている社会現象がパンデミックによりどのように変わったか、あるいは変わらなかったのかを考えてもらっている。日本における外国人労働者、環境問題をテーマとしているゼミ生が多い。

 フィールドワーク論やゼミで参加者からの報告を聞いていると、住んでいる場所、自分の文化、ジェンダー、経済状況などの多様性がパンデミックのなかで顕在化しているようで、参加者相互が刺激し合っているのを感じる。やはり海外からのライブ報告もあり、現実と密着した知的作業の面白さと難しさを参加者たちは経験しているようである。 今日からゼミの学生たちが教室に戻って来る。教室で聞く彼ら彼女らの報告が待ち遠しい。(富田与)

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